2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「他者」への想像力

加藤典洋が、「他者への想像力」が欠けているとして小説を批判しているのだが、 果たしてそれは、妥当な批判だったのか? 普通に考えて、西村賢太や小谷野敦の小説が「他者への想像力」を欠いているからと言って、 それが直ちに作者本人の「他者への想像力」…

準ひきこもり

私の居場所が、大学から消えていく。 それまで、無口で変な奴、ぐらいに思われていた人間が、 「準ひきこもり」というレッテルを貼られて、「異常な奴」としてみなされることになる。 これまでの「準ひきこもり」予備軍たちは、自分を何かしら変だとは自覚し…

「分かりやすく」書くこと②

「分かりやすく」書くことの問題をいままで考えてきたのであるが、 自分でも誤解してきた節があるので、ここでひとつこの問題の前提を問い直しておこう。 1.「分かりやすい」表現とは、「分かりにくい」表現を易しく言い換えたものなのか? そうではないだ…

muffdivingさんの文章へのささやかな回答

以下で色々と書かれている。 http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20060711/1152624584 私に関する箇所は、いちいち「もっともだ」と思うと同時に、でもなんだか分からないところもあるので、ここで疑問・反論を述べておきたい。 1.「こういうバカが多くなっ…

読者とは誰か?

小森陽一『心脳コントロール社会』を読む。おもしろいのだが、こういう本を読んでいつも感じるのは、こうしたことだ。 1.大衆メディア(新書)を使って、大衆メディア(テレビ)を批判するのはどうなのか? 2.「騙されるな」というが、それでは「騙され…

同じ書物に名前が掲載されるとは?

「宮台さんの文章を理由にジェンダー系の学問に問題があるみたいにいわれるのは困ります。」とおっしゃいますが、私はそんなこというつもりはありません。私が言いたいのは、『バックラッシュ!』という雑誌の趣旨に賛同し、キャンペーンブログまで熱心に運…

「分かりやすく」書くこと/小谷野敦が孤立する理由

NHKよ。いったいどうしたんだ。昨日の爆笑問題の番組で、ところどころに差し挟まれた、あの猿の(意味不明でなんの面白みもない)映像は何なんだ?NHKは、自分が猿だということを暴露したかったのか?まぁ、それは措いといて…。太田光が、「分かりにく…

バックラッシュ

小谷野敦の『バックラッシュ!』批判について。 小谷野敦、どうやら孤立しているようだ。 「なにいちゃもんつけてんだ?」 そんな感じである。 しかし、私は小谷野の議論はやはり重要だと思う。 それは、結局『バックラッシュ』に関する議論が、 人文科学系…

池田雄一『カントの哲学』

池田雄一『カントの哲学』からの引用。 …そうなると、くだらない些細な出来事からドミノ式にというか雪崩式に、 十二人死亡、三千七百九十四人が重軽傷という大規模なテロ事件に至った ということになる。 おそらくオウム真理教団による一連の事件がおぞまし…