『教養としての大学受験国語』
- 作者: 石原千秋
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2000/07/01
- メディア: 新書
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文化系トークラジオ Lifeの「現代の現代思想」の回を聴いてから、自分にとっての「思想」とは何かを考えている。
私が「思想」に触れるきっかけになったのは、『教養としての大学受験国語』を読んだのが最初だった
世の中を、こんな風にも眺めることができるんだと、胸を躍らせたのが、ちょうど10年前ぐらいになる。
大学生になってからも、『教養としての大学受験国語』で示された知の羅針盤はそれ程変化していなかった。ジェンダー論・国民国家論・身体論などは、むしろ私が大学生の時に花開き、新書でも興味深い本が続々と出版された。
ただ、「思想」の寿命は短いもので、短い間に爛熟期を迎え、やがて衰退していった。『ナショナルヒストリーを超えて』などを読み、国民国家の暴力性に憤っていた大学生時代が、なつかしい(恥ずかしい)…。
石原千秋先生も、「僕の提示した全体的な<知>の状況もさほど変わっていないから、この本の寿命も十年はあるとみている。」と述べている。
あれから十年では、石原先生の提示した<知>の状況は、いかに変化したか。
ちなみに、以下に示すのが、石原先生が示した<知>の状況である。
第一章 近代
?抑圧する近代合理主義
?自然と共同体からの解放
第二章 二元論
?脱構築という方法
?子どもの発見と二貢対立
第三章 自己
?自我を癒す
?近代的自我からの脱却
第四章 身体
?「身体をもつ」ことと「身体である」こと
?私の欲望は他者の欲望である
第五章 大衆
?いかなる権威をも否定する権威
?小さな差異を生きる「わたし」
?都市が大衆を生み出した
第六章 情報
?弱者のふりをした権力
?感性の変革の語り方
第七章 日本社会
?共同性と公共性
?個人と世間と社会
第八章 国民国家
?方言は言語に憧れる
?日本語と想像の共同体
一つ考えられるのは、「アーキテクチャ」であろう。
『思想地図』vol.3の前文で東浩紀は、「わたしたちは、イデオロギーではなく、アーキテクチャに支配された世界に生きている」と述べる。
NHKブックス別巻 思想地図 vol.3 特集・アーキテクチャ
- 作者: 東浩紀,北田暁大
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2009/05/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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二つ目は、「暴力装置」としての国家論。萱野さんの議論が参考になるだろう。
- 作者: 萱野稔人
- 出版社/メーカー: 以文社
- 発売日: 2005/06/17
- メディア: 単行本
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マルチチュード 上 ~<帝国>時代の戦争と民主主義 (NHKブックス)
- 作者: アントニオ・ネグリ,マイケル・ハート,幾島幸子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2005/10/30
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四つ目は、「情報社会論」。10年前と今で、ネットの環境が大きく変化している。
- 作者: 濱野智史
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 2008/10/27
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CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)
- 作者: 小寺信良,津田大介
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2007/08/02
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情報の波の中で、どう生き抜けばいいのか?著者は、「ラク」をすることとは、先人の知恵を借り、凡人では何十年もかかってたどり着くかどうかわからないノウハウを吸収することだ、と述べる。「下手な長考休むに似たり」
- 作者: 日垣隆
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2008/05/23
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五つ目は、「公共性」論。稲葉振一郎さんの議論とは別に、公共的な議論を成立させる条件や、郊外化した社会で、いかに公共的な市民を立ち上げるか、など。
- 作者: 稲葉振一郎
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 2008/03/01
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- 作者: 鷲田清一,植田正治
- 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
- 発売日: 1999/06/30
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- 作者: 東山紘久
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2000/09/01
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七つ目は、教育という装置について。自分自身をどう相対化できるかの実験。
- 作者: 諏訪哲二
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2005/03/01
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- 作者: 苅谷剛彦
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2008/12/05
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八つ目は、知性について。現代社会で「知的である」とはどういうことか。「知的である」ことに、学問の方法が有効であることを教えてくれる。
知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)
- 作者: 苅谷剛彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/05/20
- メディア: 文庫
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- 作者: 高瀬淳一
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/01
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と、つらつら考えてきました。
教育する立場として、高校生に新しい知の羅針盤を与えてあげたいと考えています。簡単に手に入り、高校生でも読みやすい本があれば、是非教えてください。
九つ目は、生命として生きることについて。
まずは、福岡先生の本の中では、最も平易な解説本となっている以下の著書を。
- 作者: 福岡伸一
- 出版社/メーカー: 木楽舎
- 発売日: 2009/02/17
- メディア: 単行本
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生物と無生物の間を知ったら次はこれを。
心はプログラムできるか 人工生命で探る人類最後の謎 (サイエンス・アイ新書 31)
- 作者: 有田隆也
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2007/08/16
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