一人暮らしの日々と
一人暮らしを支える時に必要なものは、
先立つものは先ず「金」だが、
ある程度の給料が保証されている場合、
それ以外に必要なものなど、ない。
一年間一人暮らしを続けてきて、
「仕事」以外の、何もなかった。
一緒に働いている人には、
「プライベートどうですか?」
なんて聴かれもするが、
仕事以外一切無駄な人間関係を排除することが、
これほど精神的に楽なことだとは、思ってもみなかった。
大学時代から、人と交流することを避けてきた私が、
しかしサービス業で、日々「人」と接しなければならない
状況に、当初は大いに心配はしたけれど、
接する対象が「人」だと思えば、
にわか仕込みの知識などを駆使して対人関係を乗り切ることなど、
ことさら難しいことではない。
その昔、『「準」ひきこもり』という書物が出版され、
ネット上で少し話題になった後、無視されていたが、
完全に「準」ひきこもりだった私に言わせてもらうと、
「仕事」を「仕事」と割り切って、それ以外の時間を
自分の自由に使い、なおかつ対人関係なんて関係ないと
思える「準」ひきこもりは、
古谷実的な意味での、対人関係への猛烈な希求もなく、
淡々と日常を過ごせることは、
この上もない幸福であると、今になっては感じる。
こんな日常に、鬼束ちひろの歌が響いている。