蒼井優を初めて見たのは

蒼井優を初めて見たのは、この映画でした。

リリイ・シュシュのすべて 通常版 [DVD]

リリイ・シュシュのすべて 通常版 [DVD]

最初は、なんだか地味な女の子だな、ぐらいにしか思えず、

今でも、中学生や高校生に「うける」顔ではないな、という印象は、

持ち続けています。 



リリィ・シュシュのすべて』という映画は、

青春期の、自意識のねじれを、痛いぐらいはっきりと描きます。




私たちは、多かれ少なかれ、「優等生」という存在に、

憧れを抱いたことがあるのではないでしょうか。


学校では、「よい子」「素直な子」「勉強・スポーツのできる子」が

「優秀」であると定義され、そうした存在に、少しでも近づきたいと、

努力したことがあるでしょう。(ないかもしれません)


そこでは、「世の中の価値観に合わせなければならない」という道徳観・倫理観

が必要とされます。


「大人になる」とは畢竟、その道徳観・倫理観から、

いつ「降りるのか」ということだと、思います。


リリィ・シュシュのすべて』では、

その道徳観・倫理観から、「降りてしまった」生徒が、

「よい子」の規範を外れ、暴走してしまう物語です。


「よい子」路線から「降りた」生徒は、

「子どものルール」を無視して、暴れ回ります。


「子どものルール」が適用される「子どもの世界」に、

いきなり「異物」が混入してくる異様さ。


自分にとって、それはいつだったろう??

女の子の身体的特徴が、目に見えて変化した、あのときだったろうか?

それとも、「格好いい」ことを、男性としての価値として、目に見えて

周囲の人間が変わっていった、あの頃のことだろうか?


目に見えないルールが、いつの間にか変化しているにもかかわらず、

それについて行けていないことからくるとまどい。

だが、そんな日常を規定するルールなど、いつだって、

簡単に壊れてしまう。


鬼束ちひろの「infection」は、私の好きな曲の一つです。

何かを爆破したくなったとき、象徴的に想像の中で私は、

規範みたいなものを、壊しています。