新規配属

 昨日から配属が変わった。

 新入社員として、ようやく腰を落ち着けて仕事が出来る環境を

与えられたと言える。

 これまではどこにとばされるのか分かったものではなかった。

 実際、今回までで、3回も職場が変わって同僚がいて、

そのたびに引き継ぎで忙しいとぼやいていた。


 着任早々、「ここは戦場である」という思いを抱いた。

ある種の若者がワーカホリックに陥って体を壊す話がなされているけど、

それもむべなるかなである。

 本人としては、体を壊すほど働きたいなんて、始めは考えていなかった

に違いない。けれど、ドロップアウトすると先行きの見えない(もちろん

ドロップアウトしなくなって先行きは見えないわけだが)世の中にあって、

「あきらめる」しかなかったのだと、今になっては思う。

 「かれら(私も含めて)」は、「あきらめた」のだ。「自分」というもの

を。


 そうでもしなければ、とてもやっていけないような現実が、そこには

待っている。決して悲観的に語っているわけではないのだが、どうしても

暗い語りになってしまうのは、どこかで「あきらめきらない」感じが、今

の私にはあるからだろう。

 その「あきらめ切れなさ」もまた、日々の業務にまぎれてどこかに行っ

てしまい、しまいには「あきらめきれない自分」すら忘れ去って、

仕事に埋没し、体を壊し、「自分」をも回復不能な地点まで

追いやってしまうのではないか。