池田雄一『夢を与える』(綿矢りさ著)書評

 

夢を与える

夢を与える

神奈川新聞に、池田雄一さんが『夢を与える』の書評を書いていた。
その中でも以下の一説。

 《しかし、「夢を与える」職業はどこにでもある。自動車を売っている人は自動車の夢を与えて、
  ハンバーガーを売っている人は「スマイル」という夢を与えている。夢を与えつづける奴隷。彼
  女の小説はそのような人たちに向けて書かれている。》

池田節炸裂といった感じで、とても感動的な文章である。
「奴隷でいいじゃん」。
世の「社会派」は、もっと勉強して「まともな職業」に就けとは言うが、
「奴隷だって夢を与えられるんだ」とは言わない。