頑固な老人

 今外で、85歳になる祖父が草むしりをしている。

 こんなこと書いている暇があったら、早く手伝いにいくのが正しいのだろう。

 しかし、朝からやる気満々であった祖父に、私はこう言ったのだ。

「朝はすずしいからその間に勉強して、その後おれがやるよ」と。

祖父は不満そうだった。

 「お前がやっているのに、俺がやらないわけにはいかない」と。

 全然言っている意味が分からない。

 正直言って、85歳の老人に草むしりをさせている時点で、世間体には

私達家族のほうがよほど「恥」なのだが、老人にはその点が上手く理解できないらしい。

 草むしりをするたびに「膝がいたい、膝がいたい」と文句をたれているわりに、

いざ、「じゃあ俺がやるよ」というと、不満そうな顔をする。

 うんざりだ。

 そんなに「やりたい」なら、いちいち「膝が痛い」だのなんだのと文句言うんじゃねえよ!