サービスについて

 田崎真也『サービスの極意』を読む。

 「気配り」が「意外に自分本位であることが少なくない」という指摘には、ハッとさせられる。

 例えば家族の食事を作っていて時々、

 せっかく温かいものをだしているのに、どうしてすぐに食べないんだろう、

 と思うことがある。

 これはもちろん、出来立てを最善の状態で食べてもらいたい、そのほうがおいしいに違いない、
 
 という相手への想いやりから出た言葉だと思いがちだが、

 実際には、俺がせっかく最高の状態で出したものを、どうしてすぐたべねぇんだ、

 という気持ちがどこかにあることは否めない。

 そんな自分に歯がゆい思いをしつつ、今日も「温かいうちに食べてね」

 といい続ける私である。