追憶の日
映画秘宝の00年代ベスト作品が、ポン・ジュノの「殺人の追憶」であることは、まさに00年代を象徴する「事件」であると言っても過言ではありません。
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00年代は、「追憶の日々」に思いをはせながら、そんなものはなかった、もしくは取り戻すことは不可能だったことを思い知らせられ日々であったと言えるでしょう。実際、「殺人の追憶」においても、事件は解決されないまま終わるし、映画の終わりが、「事件の追憶」の中でしか生きられないソン・ガンホが、刑事を辞めてサラリーマンになりながらも、かつて自分が未解決にしたままの殺人事件に縛られていることを暗示する場面であることは象徴的です。
それは、ノスタルジーや懐古趣味とは違います。
たとえば、以下の画像は、まさに懐古趣味とノスタルジーに満ちています。
動画から私が受ける印象は、ノスタルジーや懐古趣味以外の何物でもありません。
おそらく十年後、パフュームを語る人たちは、派手なライブ映像やトーク場面よりも、この画像のような、「あの時輝いていた3人」をノスタルジックに語る手法に、自分自身に対する癒しを見るでしょう。
この動画が秀逸なのは、<現在>においてパフュームをノスタルジーの中に封じ込めたことです。私はこの動画以後、パフュームに対する態度を少し変えました。
パフュームもやはり、時代の子であったと。
そして、後で振り返ったときに、パフュームが何であったかを忘れまいと。
その態度は、90年代に大量のアーティストを消費して、その実ミスチルと安室ナミエぐらいしか思い出せない自分への反省としてあります。
同時代に生き、その熱狂に身を浸しながら、同時にそれを追憶の日々に閉じ込めておくこと。
さぁ、あすは、ドラマの話をしよう。