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怒りは正しく晴らすと疲れるけれど

怒りは正しく晴らすと疲れるけれど

『怒りは正しく晴らすと疲れるけれど』 日垣隆 WAC

 数値目標というのは、営業マンにとって生命線であり、数値目標を達成しなくてあたりまえという会社は必ず潰れる。

 最近の日本で格差社会や富裕層の形成やらについて論じる人が、ヴェブレンの『有閑階級の理論』や横山源之助『日本の下層社会』を読んでいなかったら、やはり恥ずかしいでしょう(241)

 幸いなことに彼は貧乏であり、その貧乏から抜け出そうという熱意をもっていた。そのために、深遠な思想化がおちいりやすい、難解な文章を平気で書くという悪癖を脱することができ、おかげで貧乏からも脱出したのである。もちろん文章が平明になったから内容が落ちた、ということはない。(275)

 共産主義では希望というのは、共産党の中で上りつめるという一つの道しかない。個人が夢を持てないわけです。(295)

渡部 整理しきれずに、見たい本がどこにあるの分からず歯がゆい思いをしながら死ぬのと、新しい書庫を建てるために借金をするのと、どちらがより愚かかと考えたわけです。どちらも愚かであることは明白ですが、少しでも愚かでないほうを選択しようと。(307)

日垣 で、大借金を選んだ(笑)

 私は今までに一冊だけ古書店に放出した本がありまして、中学生のときですが、それが今でも悔やまれてなりません。(311)

(感想)
 最終章の対談がおもしろすぎる。渡部先生の、本に対する考え方が破格であり、自分の常識を揺るがされた。