砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない

<あたしは”実弾”にならないよけいなことには関わらないのだ。一生そんなものは見ずに生きていくのだ。死ぬまでずっと。15P>

<なにかがあって、きっかけは些細で、でもどうしようもなくて、それで、人は変わる。バランスが崩れて、悪い意味で”本当の自分”になっちゃうんだ。>

<もうずっと、藻屑は砂糖菓子の弾丸を、あたしは実弾を、心許ない、威力の少ない銃に詰めてぽこぽこ打ち続けているけれど、まったくなんにも倒せそうにない。
 子供はみんな兵士で、この世は生き残りゲームで。そして。>

<きっと全部、誰かの嘘なんだ。だから平気。きっと全部、悪い嘘159p>

<あたしは出会った海野藻屑をあっというまに失い、神である友彦を失い、気づくとあたしの周りには、甘ったるい弾丸を撃つ人間は一人もいなくなった。藻屑は消え、友彦は文字通りの実弾を撃つ日々だ。186p>

<この世界ではときどきそういうことが起こる。砂糖でできた弾丸では子供は世界とは戦えない188P>


 ☆嘘でできた世界に、記憶を武器として戦いを挑む、一人の少女。そんな彼女を、読者は忘れることができない。