あれから

 鬼束ちひろについて語ることは、ひどく難しいことです。

鬼束ちひろについて饒舌になるとはすなわち、

自分の心の状態が荒んでいるときに他ならないからです。


 再び私が鬼束ちひろについて語り始めようとしているということは、

私自身が、今現在、内に内にとこもっていくことの、象徴である気が

します。