倫理
私にとっての倫理とは、まずなによりも、
「美」や「実感」に最大の価値を見いださない
ための、思考の拘束具です。
双風社(茂木・斎藤往復書簡)からの引用。
もう1点斎藤の指摘で興味深かったのは、
大衆が茂木に期待するのは、「脳科学者」のそれというより、
新しい時代(来るべき時代)への指針を示してくれるイデオローグとしてである、
という箇所である。
確かに茂木の「クオリア日記」というブログで公開されている録音は、
聞いていると、ものすごく「心地よい」。彼の講演は、もはや「芸」の
域にまで達している。
笑いをとれる「ネタ」や、聴衆の関心をここぞというところで引きつける
ポイントを完全に把握して語りを進めているのが、いくつかの講演を聴いて
と自然と分かってくる。
また、あのブログの記述もまた「心地よい」。
その心地よさの要因は何かといえば、逆接の接続詞を一つも使っていない
ところにある。