新入社員よ、大志を抱け!

 

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

 新入社員研修で繰り返し、

「偉くなったら自分のやりたいことをやれ!そのために今のうちは我慢して必死で

働き、周りの評価を得ろ!」

という、恐ろしく古典的な発言を聞かされ、少し唖然としている。

 『若者はなぜ3年でやめるのか?』によれば、この人事部長の発言は、端的に

「うそ」である。経済発展、それに伴う会社の拡大が期待され、そして実際に実現

した高度経済成長下の日本では、こうした「うそ」が信じられていた。しかし、

今はそんなことはない。

 若いときから必死にがんばったところで、その会社で昇進できる可能性はほとん

どないといっていい。だからといって、ばかばかしいから一生懸命は働かない方が

いいのかと言えば、そうではない。私はこう提案したい。

 まず、「昇進する」という考えを頭から捨てろ!その上で、失敗なんか顧みず、

会社を利用し尽くせ!上司の評価なんて、気にすることなんてない。だって、その

会社が10年後あるかないかなんて、分からないのだから。

 そう考えれば、上司の評価なんて、怖くないでしょ?上の評価にいちいちびくび

くして働くなんて、いやじゃないか。でも、上司の𠮟責を無視してはいけない。新

入社員である私たちは、はっきりいってたいしたことない。馬鹿だ。無知だ。その

馬鹿で無知な自分のレベルアップのために、会社を利用するのだ。

 シラケつつ(会社を利用する)ノリ(必死に働く)、ノリ(必死に働く)つつ

シラケ(会社を利用する)る。働いているときは没入しつつ、その没入している

自分をメタ的に眺める視点を失わないように。