佐藤優『獄中記』ノート
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/12/06
- メディア: 単行本
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政敵を、政治犯としてではなく、破廉恥犯として捕らえる
→早稲田の植草教授の逮捕は、明らかにおかしくないか?
「あれだけの経歴」の人間が犯す行為にしては、リスクが大きすぎる気がする。
○転換期に維持すべき態度
価値転換の背景にある、パラダイム(=位相)の転換に目を向ける
○苦境
ピンチはチャンスでもある、所与の条件を自己に有利にすべく思考を転換する必要がある。
○試練
人間の尊厳を維持することとは、
プライドを高く持つことではなく、
人間的思いやりを持ち、憎悪や嫉妬に基づいた人間崩壊を防ぐこと。
○近代的人間の認識構造
客観的認識などというものはそもそも存在せず、まず、
「認識を導く関心(利害)」があり、そこから事実の断片を繋ぎ合わせ『物語』をつくる
○知識人
自己の利害関係がどのようなものであるかを認識した上で、
(つまり、自分には偏見があるということを認めた上で)、自己の置かれた状況を
できるだけ突き放してみることができる人間。
○インテリ
現在の視座で過去の物語を再編する権利は誰にも無い。自らがコミットしたあの時代に対する
責任を放棄することになる。一度、このような踏み越えをすると永遠に『物語』の再編におびえなくてはならない。
○自殺
システムの転換についていけず、
アイデンティティーを持てなくなる市民が自殺傾向を持つ
○受肉論
理念は具体的な形をとらないと意味が無いというキリスト教倫理は、受肉論に基づいている。
○選択
「正しい選択をしたから成功した」のか、
「成功したから正しい選択だった」と事後的に承認されるのか。
現実には、圧倒的に後者。
○司法
司法権力を大衆に委ねると、現下、日本の場合、
世論の動きに合わせて次々と事件が作られ、冤罪のオンパレード。
○役割理論
役者が心の中で何を考えていようと、その与えられた役柄のコンテクストの中での
発信・行動を評価されるほかはない。
○馬鹿とは政治的概念
「馬鹿」とは知性や能力の問題ではなく、誠意、良心の問題である。