勉強のチカラ

齋藤孝の勉強のチカラ!

齋藤孝の勉強のチカラ!

勉強することで身に付く能力④

「達成感」を得ることが、継続を支える。

→周囲からの称賛、認められるという経験が、

「満足感」「充実感」「達成感」を生み、次にチャレンジしようという意欲を。

これは、考えてみれば当たり前のことですよね。

私も経験があるのですが、中学生になるまで、私は勉強なんてしたことのない、

人を笑わせたり、スポーツするだけが取り柄の「人気者」でした。

それが、中学に入って勉強するようになって、変わってきたんですね。

一番驚いたのは、勉強していい成績をとると、こんなにも大人や周囲の

目が変わるのか、ということです。

それまで「ただのバカ」でしかなかった私が、

「こいつなんか今までと違うぞ」という目で見られるようになったのです。

気分が悪いわけがありません。

「勉強なんて、やればやるだけできるようになる。

こんなことで周囲に認められるようになるなら、

もっとやってやろう」なんてね。

まぁ、そんな単純なことじゃあないんだろうけど、勉強ほど

手軽で社会的な称賛をえられることは、今の日本にはないんじゃなかろうか。

その点を無視して、子供に勉強なんて意味ないなんて言ってもしょうがない。

まず勉強することによって、社会的な承認が得られるんだという経験を

子供に与え、努力することが価値あることだということを教え、

しかる後にここの良い点を伸ばしていけば、いいと思う。

1分間マネジャー

1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか!

1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか!

①「なに」を

②「なぜ」するのか、

③「どうすればうまくいくのか」を、

「前もって」「率直に」教え、それを共有し、

④最初は大まかでいいからうまくいっているところをとらえ、

次第に希望通りの行動に移らせていく。

⑤失敗したら、

その「直後」に、「何がまずかったのか」を「具体的」に指摘し、

「どうすればうまくいくか」をきちんと伝える。

その時、人間性ではなく、あくまで「行動」だけを問題にする。

⑥成功したら、

その「直後」に、「何がよかったのか」を「具体的」に指摘し、

それによってどれだけの貢献をしたのかを伝える。

《1日1分、自分の目標をチェックしろ。成果をチェックしろ。

そして、自分の行動と目標が合致しているかどうかをチェックしろ。》

《目標が行動を促し、成果が行動を継続させる》

“はてなロディア欲しい!”

来春から早稲田大学に入学する諸君、

ぜひとも、早稲田大学文学部フランス文学専修助教授、

藤本一勇先生の授業を受けてみてください。

今までに経験したことのない、知的興奮を味わうことができます。

ジャック・デリダに直々に教えを受けたことがあるという、

(フランス)現代思想を語る上で今後注目の研究者だと思います。

こんなフランス小説も翻訳しています。

良い書評とは?

書評には、2つの種類があると思います。
 
1つ目は、自分では絶対に手に取らないような書物を紹介するものです

2つ目は、よく目にするけど、「なんだこんな本」と見過ごしてしまうような本

を紹介するものです。

 日垣隆さんが日垣隆さんが『文藝春秋』で連載している新書の紹介コーナー

は、後者に属します。

 日垣さんの紹介する本の特徴は、「ソッコー」です。

 まず、「ソッコー」で手にはいる。

 次に、「ソッコー」で読める。

 加えて、「ソッコー」で実践できる。

 また、「ソッコー」で効く、を加えてもいいかもしれません。

 たとえば、先月号で紹介された『ヒューマン2.0』(朝日新書)を

例に挙げると、これを読めば、これまでの「人間」に対して、

既に「死の宣告」が下されたことがよく分かります。読んだその日から、

「これまでの『人間としての生き方』なるものを見直さなければいけないな』と

遅ればせながら思いました。いや、もう手遅れかもしれません。

 今月号で紹介されていた新書も、とてもためになりました。

以下にまとめてみましょう。

『脳が冴える15の習慣』

1〜3章
 まず、脳が効果的に働く生活習慣を作りましょう。

具体的には、早寝早起きをして、朝の光を十分に浴びるようにするのが良い。

 1日の仕事は、前日の準備に秘訣があります。

 睡眠は、情報を整理するのにとても有効な手段と心得ましょう

その性質を利用して、眠る前の時間を情報のインプットに当てるのです。

後で書きますが、このインプットは、翌日のアウトプットを前提にして

行うのが良いでしょう。

 起床したら、脳のウォーミングアップから入ります。

口・手・足を使うのが効果的です。

 徐々に仕事モードに入っていきます。
 
仕事をするときに重要なのは、時間制限を設けることです。

著者は、≪常に試験を受けている状態を作れ≫と述べています。

時間制限があれば、優先順位をつける訓練にもなります。

 仕事が一段落したら、反省する時間を設けましょう。

仕事が終わって疲れたからといって、脳はまだ仕事モードの状態です。

それを効果的に利用し、雑務(もしくは休憩)に入る前に、

仕事を振り返って整理しておくのが大切ということです。


4章 脳に基礎体力をつけろ!

 脳の基礎体力とは、≪選択・判断・系列化≫のことで、これは、

「メンドクサイ」ことを「メンドクサ」がらずにやることで鍛えられます。

具体的には、≪家事・雑務≫の類です。

5章 習慣化

 「ルール」を作り、自分の行動を「ルール」に合わせて行いましょう。

「若い勢いに任せて」行き当たりばったりにやっていると、いつか限界が

きます。また、いつも違う方法でやっていては、とても効率が悪い。

20年後、30年後でも、体力や判断力が衰えても通用する方法を

若いうちから確立しておくことは大切です。

6章 思考の整理

分類→優先順位→整理・・・一つ一つの仕事に集中しやすい環境を作る

7章 目や耳を使う

 情報を捉えようとするフォーメーション全体がダイナミックに変化する

8章 記憶力を高める

 4つのポイントを著者は挙げています。

①情報を意識的に脳に入力する。

「いつか人に伝える記憶」を前提に、「使える記憶」として保存

②情報を脳の中で保持する

③入力した情報を解釈する

④脳の中にある情報を出力する

 書くことで、情報を脳に刻み込む

この4つを成し遂げるには、①とも関わりますが、

出力する機械を「先に」作っておくことが大切です。

情報をインプットする際、

「この情報を人に伝えるにはどうすればよいか」を常に念頭に置きましょう。

9章 話す力
①メモや視覚的イメージを使って話を組み立てる

②質問を想定して話を膨らませる

10章 表現力
話す相手によって表現を変えることで、語彙を豊かにしていく